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インドネシア科学院との大学間交流協定締結式に参加

■インドネシア科学院との大学間交流協定締結式に参加
インドネシア科学院との大学間交流協定締結式に参加しました。
自然環境科学講座  堀越孝雄
 
 いささか旧聞に属しますが、2005年12月22日から25日まで3泊4日の日程で、学長のお供をし、インドネシア科学院(Indonesian Institute of Sciences, LIPI)との大学間交流協定締結式に参加するためにジャヤカルタに行って参りました。総合科学部と理学研究科が協定締結の基礎学部であり、最初に理学研究科の近藤勝彦先生(附属植物遺伝子保管実験施設)からのお話を受け仲介した関係で総合科学部からは私が参加しました。同行3名で、もうお一人近藤先生です。
 この協定は、2001年ころから近藤先生が中心になり、LIPIの若手研究者の短期間トレーニングや大学院への入学を受け入れてこられ、それらの研究者が母国に帰られて活躍をされるという研究交流実績を積んでこられ、締結の運びとなったものです。総合科学部では、私が来日された研究者の短期間トレーニングの一部を担当し、中越信和、井鷺裕司の両先生は1995年以来インドネシアでLIPIの研究者と共同調査を実施されているという実績があります。
 協定締結のための合意は、2004年11月にすでに得られていたのですが、同年末にスマトラ島沖で発生した大地震による津波被災などのために今日まで遅れました。
 インドネシア科学院、通称LIPI、は、同国最高研究統括組織で、どの省庁にも属さず、院長は大臣クラスで、大統領に直接責任を有しています。事務総長府、人文・社会科学、地球科学、生命科学、科学技術、科学事業の6部局に、19のセンターを有し、学生はいませんが、職員数4,540名、研究者数 965名、PhD 取得者数 194名という組織です。最近、 300名の増員が認められたということで、牟田学長がうらやましがることしきりでした(この増員はインドネシアでも異例だそうです)。
 23日10時からLIPI本部で調印式が行われた後、23日午後から24日夕刻にかけて、研究調査船、郊外Serpong にある物理学研究センター、郊外CibinongにJICAの援助をうけて整備中の生物科学関係の研究センター群、さらに(オランダ統治の遺産でもある)世界的に有名なBogor 植物園などを、ジャカルタの超殺人的な交通ラッシュをぬって強行軍で見学しました。牟田学長は移動の車中気持良さそうにお休みになられ、さすがと感心した次第でした。また、これらの見学行では、牟田研で学位を取得され、いまやLIPIの若手のホープであるDr. L.T. Handokoが流ちょうな日本語で案内の労をとられ心強い限りでした(牟田先生のお話によると、日本人より日本人らしい院生だったそうです)。
 物理学センターを見学した際に、最近20名の新人が採用され、その最終学歴は修士が3名、残り17名学部卒ということで、教育面での貢献の余地があるのではないかと感じました。また、先に述べましたようにCibinongにはJICAの援助をうけて立派な施設群が整備中ですが、こうした物・金面だけではなく、魂をそそぎ込むような研究交流を核とするソフト面での貢献がわが国に求められているのではないかということを痛感しました。
 また、調印式の後で、人文社会科学のdeputy chairであられるDr. Dewi Fortuna Anwar(メガワティ大統領のブレインだった方だそうです)が私が持参した新総合科学研究科の英文資料(HPからダウンロードした)に大変興味をもって下さいました。LIPIは人文・社会科学から自然科学まで網羅した研究機関ですので、そのような意味でも総合科学部にふさわしい協定相手といえるのではないでしょうか。
 インドネシアは天然ガス(広島市の都市ガスは100%インドネシア産だそうです)、石油(第二次世界大戦中ずいぶんご迷惑をおかけした)から、遺伝子資源(世界第2位)にいたるまで、天然資源に恵まれた国です。豊富な天然資源を利用した学術研究の進展、さらには学術交流を通しての両国親善の促進は大きな意義のあることであると考えています。
 私自身は、念願であったBogor植物園を見学できたことは大きな喜びでした。
 学長も、この交流の促進には大きな期待をかけておられるようです。今後、学術交流に関する情報が入り次第先生方にお知らせしたいと思いますので、ご興味のある先生には積極的にご参加頂けましたらと思います。
 
■研究調査船Baruna Java VIIの船長席に座りご機嫌の牟田学長
研究調査船Baruna Java VIIの船長席に座りご機嫌の牟田学長

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